港区のオフィスビルの傾向と特徴とは?企業がオフィスを移転する理由を徹底分析!
東京都内でも屈指のビジネスエリアである港区は、優れた立地や洗練された環境により、企業の本社や外資系企業の拠点など多数の企業がオフィスを構えるエリアです。本記事では、港区におけるオフィスビルの傾向や特徴を解説し、企業がオフィス移転を検討する際の指針を提供していきます。
港区の特徴
港区は、東京都心の南部に位置し、ビジネスや国際交流の中心地として機能しているエリアです。港区にはIT企業や金融業、テレビ局やコンサルティング業、外資系企業やスタートアップ企業が多く進出し、グローバルで国際色豊かな企業がオフィスを構えています。一方で、港区は高層ビルと緑地が調和した都市景観も魅力で、赤坂サカスや東京ミッドタウン、虎ノ門ヒルズなどの再開発複合施設がビジネスとプライベートの融合を支えています。また、JRや地下鉄、モノレールが縦横無尽に走る港区は、東京都内だけでなく羽田空港や郊外へのアクセスも良好で、あらゆる方面に交通利便性の高いエリアです。こうした街の多様性や機能性から、多くの企業が港区を拠点にしています。
港区にオフィスを構えるメリット
港区にオフィスを構えることで得られるメリットにはさまざまなものがあります。ここでは、港区にオフィスを構えるメリットを紹介します。
優れた交通利便性
港区には、JRや東京メトロ、都営地下鉄、ゆりかもめや東京モノレールなどが乗り入れており、東京全域はもちろん、羽田空港や成田空港といった国内外への移動にも優れた交通利便性です。また、高い交通利便性は通勤のストレスを軽減し、従業員のメンタルヘルス改善に寄与します。さらに、港区は新幹線が発着する東京駅や品川駅にも近く、出張や取引先の訪問など、ビジネスシーンにおいて大きなアドバンテージとなります。
成功している企業だと印象づけられる
港区にオフィスを構えることで、成功している企業だと印象づけやすくなることもメリットです。六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズといったランドマークにオフィスを構える企業は、成功した企業や一流企業としてのイメージを持たれる傾向にあります。特に、スタートアップ企業や外資系企業にとって、港区を所在地にすることは国際的な競争力を高める一助にもなります。
優秀な人材を確保しやすい
港区には多くの一流企業や外資系企業がオフィスを構えているため、多くのビジネスパーソンにとって働きたい憧れのエリアです。また、交通利便性の高さや洗練されたオフィス環境などが重なり、優秀な人材が職場として港区を選ぶ傾向にあります。所在地のブランド力と魅力的なオフィス環境によって、採用競争で優位に立てるのは、港区を拠点とする企業ならではのメリットです。
中央省庁や行政機関との連携が取りやすい
港区は、政治や行政の中心地である霞が関や永田町と隣接しており、中央省庁や関連機関との距離が近く、連携が取りやすいエリアです。特に、法律や金融、医療分野やエネルギー業界など、政策や規制の影響を強く受ける企業にとって、この地理的な優位性は大きなメリットとなります。また、政策セミナーや勉強会などが頻繁に開催される港区では、官民連携の機会が豊富なことも特徴です。このような環境は、新規事業やイノベーションを生み出すうえで、他のエリアにはない大きなメリットだといえます。
港区にオフィスを構える際の注意点
ここまでは港区にオフィスを構えるメリットについて触れてきましたが、同時にいくつかの注意点も存在します。ここでは、港区にオフィスを構える際の注意点を紹介します。
賃料がトップクラスに高額
港区にオフィスの移転を検討する際、まず考慮しなければならないのは賃料の高さです。港区は都内の中でも賃料が高額なエリアであり、特に六本木、青山、赤坂、虎ノ門などの賃料は国内トップクラスだといえます。特に、スタートアップ企業やベンチャー企業にとっては、この高い賃料が大きな負担となるため、費用対効果をしっかりと検討する必要があります。
物件の競争率が高い
港区は憧れのビジネスエリアであるため、希望する物件を確保するのが困難な場合があります。特に、新築やリノベーション済みの綺麗かつ機能的な物件は競争率が高く、すぐに埋まってしまうケースが多い傾向です。港区でオフィスを探す際には、専門の不動産会社やエージェントなどを活用し、地域ならではの物件情報を入手することも視野に入れておくことをおすすめします。
交通混雑が激しい
港区は交通利便性が高い反面、交通混雑が激しいというデメリットも抱えています。特に、朝夕の通勤ラッシュ時には、主要な駅や道路で混雑が発生しやすく、移動に支障をきたす可能性があります。交通混雑は従業員のストレスや生産性に大きな影響を与えるため、出社時間や通勤方法に柔軟性を取り入れるなどの対策が必要です。
港区におけるオフィスビルの空室率・平均募集賃料
港区へのオフィス移転を検討する際には、オフィスの空室率や募集賃料を把握しておくことが大切です。ここでは、港区におけるオフィスビルの空室率と平均募集賃料を紹介します。
港区にあるオフィスビルの空室率
港区のオフィスビルは都内でも特に需要が高いエリアであり、ここ1年間の空室率は減少傾向です。2024年10月末時点における三菱地所リアルエステートサービスの調査によれば、港区の空室率は6.73%となっており、東京主要7区の中では若干高めであるものの比較的安定した水準を保っています。港区の空室率は二極化傾向にあり、六本木や青山などのプレミアムエリアではほぼ満室の物件も多い一方、築年数が経過したビルでは空室が散見されます。このような港区における空室率は、企業の移転や新規参入が活発である証拠ともいえるでしょう。
港区にあるオフィスビルの平均募集賃料
港区の平均募集賃料は、23区の中でもトップクラスに高額な水準を維持しています。2024年10月末時点での調査によると、港区の平均募集賃料は1坪あたり3万円台前半に達し、都内主要エリアの中でもトップクラスの賃料です。特に、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズといったランドマーク的存在のビルでは坪単価が4万円に届くケースも珍しくありません。とは言うものの、港区の賃料は、エリアが持つ特性やビルのグレードなどで大きく左右されるため、オフィスを検討する際には詳細なマーケット調査が必要です。
【エリア別】企業が港区のオフィスビルに移転する理由
オフィスの移転を検討する際には、エリアごとの特性を理解し、自社に最適な地域特性を見極めることで成功に繋がります。ここではエリア別に、企業が港区のオフィスビルに移転する理由を紹介します。
六本木エリアのオフィスに移転する理由
六本木エリアはIT企業や外資系企業、テレビ局や芸能事務所、ファッション業界などに代表される、国内外の有名企業やスタートアップ企業が拠点を構えるグローバルな雰囲気を持つエリアです。また、六本木ヒルズや東京ミッドタウンといった大型複合施設にも最先端のオフィスが集積し、企業の強力なブランディング力向上に寄与しています。さらに、六本木エリアは交通アクセスも抜群の立地にあり、地下鉄日比谷線や大江戸線が乗り入れているため、新宿や渋谷方面への移動も容易です。
このような点から、六本木はブランド力が強く、賃貸オフィスのニーズが高い反面、価値を高めたい企業に選ばれる高級かつ国際色豊かなエリアだといえます。
赤坂エリアのオフィスに移転する理由
赤坂エリアは大使館や迎賓館赤坂離宮がある一方「赤坂サカス」や「アークヒルズ」などハイグレードなオフィスビルが建ち並ぶ、歴史とモダンが融合したエリアです。また、現在も「赤坂トラストタワー」や「赤坂グリーンクロス」などの高層ビルが建設中であり、赤坂エリアは再開発が盛んなエリアとしても知られています。さらに、赤坂エリアには東京メトロ千代田線の赤坂駅をはじめ、赤坂見附駅や溜池山王駅など複数路線が乗り入れており、都内でも有数の交通利便性が高いエリアです。
赤坂エリアは、テレビ局があることから芸能関係や音楽関係のオフィスも多く、信頼性や品格を重視する企業や、アパレルやデザイン関連の企業にとって魅力的なエリアだといえます。
芝・浜松町エリアのオフィスに移転する理由
芝・浜松町エリアは、交通の要所として利便性が高いうえ大規模なオフィスビルが多く、東京タワーなど日本の代表的な観光名所が点在しているエリアです。芝・浜松町エリアは交通利便性の高さから、田町駅や三田駅周辺は国内屈指のビジネス街となっており、三井住友グループや森永グループ、NECやバンダイナムコなどの大企業や外資系企業のオフィスビルが多く建ち並んでいます。
また、芝・浜松町エリアはJR山手線・京浜東北線の浜松町駅に加え、モノレールの恩恵で羽田空港へのアクセスも良好なため、海外との取引が多い企業や物流関連企業に人気のエリアです。芝・浜松町エリアでは再開発が進むにつれ、ハイグレードなオフィスビルも増加しており、拠点を構えることで成長性を見込む企業にとって最適なエリアだといえます。
新橋エリアのオフィスに移転する理由
新橋エリアは言わずと知れたサラリーマンの街であり、古くからオフィス街として発展してきたエリアです。新橋エリアにはさまざまなオフィスビルが建ち並んでいるものの、築年数の古いオフィスビルや中・小規模のオフィスビルも多く、賃料コストをおさえたい企業から選ばれています。
また、新橋エリアにはJR新橋駅を中心に多数の路線が乗り入れており、東京駅や羽田空港へのアクセスに優れていることから、交通利便性の高さを求める外回りの多い企業にとって理想的なエリアです。新橋エリアには、効率的なビジネス運営を支える環境が整っているため、機動力を重視した中小企業やスタートアップ企業にとって最適なエリアだといえます。
虎ノ門エリアのオフィスに移転する理由
虎ノ門エリアは、オフィスビルや商業施設の超高層ビルが集積する大規模なオフィス街であり、虎ノ門ヒルズをはじめとした大規模な再開発が進むエリアです。虎ノ門エリアには、外資系企業やコンサルティングファーム、法律事務所が多く拠点を構えており、日本を動かす中枢としての顔を持つエリアでもあります。また、虎ノ門エリアにはJRや東京メトロ銀座線や日比谷線など複数の路線が乗り入れており、交通利便性も抜群のエリアです。
虎ノ門エリアには最新設備を備えたハイグレードなオフィスビルが多く、企業ブランドの向上を図り、国際的な取引をおこなう企業にとって理想的なロケーションを持つエリアだといえます。
台場・芝浦エリアのオフィスに移転する理由
台場・芝浦エリアは、港区の湾岸地域に位置し、IT企業やクリエイティブ企業、物流関連企業が集まる近未来的な雰囲気を持つエリアです。台場・芝浦エリアには広大な土地を活用したオフィスビルが多いわりに、港区内では家賃がおさえられた地域でもあり、コストを重視しながら大規模フロアを必要とする企業に適しています。
また、台場・芝浦エリアには、ゆりかもめやりんかい線などが乗り入れており、都心部とのアクセスも良好で、従業員が通勤しやすい立地のエリアです。台場・芝浦エリア周辺には商業施設や公園も多く、ワークライフバランスを重視する企業にとって理想的な環境が整っているエリアだといえます。
泉岳寺・品川エリアのオフィスに移転する理由
泉岳寺・品川エリアは、品川駅を中心としたモダンなビジネス街であり、外資系企業や物流・運輸関連の企業から高く支持されるエリアです。泉岳寺・品川エリアのオフィスビルは、広々としたレイアウトや高度なセキュリティ設備を備えているものが多く、快適かつ安全に業務をおこなえる環境が整っています。泉岳寺周辺は歴史的な趣を持ちながら、近年では再開発が進み、最新のオフィスビルが続々と建設されています。
また、泉岳寺・品川エリアは新幹線をはじめとする全国各地へのアクセスの良さから、国内外の拠点として多くの企業に利用されているエリアです。泉岳寺・品川エリアは地方都市への交通利便性の高さを求めつつ、広々としたオフィスを構えたい企業に最適なエリアだといえます。
まとめ
この記事では、港区の特徴、港区にオフィスを構えるメリットと注意点、企業がオフィスを移転する理由について解説しました。港区は、東京都内でも圧倒的なブランド力と交通利便性を誇るエリアとして、企業にとって憧れの的となっています。港区の高い交通利便性や洗練された街並みは、企業におけるステータス性の向上や人材確保に寄与します。一方で、高額な賃料や物件の見つけづらさといった問題もあり、オフィスの移転を検討する際は十分な調査が必要です。
企業がオフィスを移転する背景には、事業拡大や業務効率化、ブランディング・リクルーティングの強化や立地環境改善などさまざまな理由があり、それに応じた市場調査が求められます。そのため、港区へのオフィス移転を成功させるためには、エリア特性を理解し、自社の戦略に合致する物件を選ぶことが重要です。
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